分類学研修事業へのご寄付

Aedes agypti

衛生動物分類学研修事業趣意書およびご寄付のお願い

 このたび、日本衛生動物学会は、衛生動物学研究のすそ野を広げるために、特に学術会議でも注視している昆虫/衛生害虫を対象とする分類学に焦点を絞り、その学問を志す人材を育成することを目標として、衛生害虫類の分類学研修事業(英語名称:Training course of Medical Entomology and Zoology for taxonomy; 英語略称:T-MEZ)を開始致します。

 分類学はすべての生物系学問の基礎となる学問の領域です。駆除対象となる身近な害虫類の鑑別・同定がなぜ必要なのか、また、なぜそのような手技が必要になるのかなどを分類学の考え方から学び、同定技術を考える上での基礎を養うことを目標としています。受講者は自身の研究の基礎を充実させることができ、また、衛生動物学会においては、学会活動の発展に寄与する人材を育成し、長期的には会員数の増加に繋がり、することを目指します。

 本研修は、これまで有志企業のご支援と講師陣のボランティアによって、「蚊の分類学研修」という形で5年にわたり計10回の研修会が開催されてきました。その間のべ30名が受講し、フィールド作業も含めた実践的かつ学問的に有意義な研修であると好評を得ておりましたが、残念ながら資金調達が困難となったことから2018年度で終了となりました。受講者の多くは、大学や企業の研究所に所属する若手研究者であるため、実学として大変有意義であったとの評価も高く、また、学会員からの推薦による学生受講者の一部は、受講後に学会に入会し、衛生害虫類の研究に携わるようになった者も見受けられました。このような分類学研修の流れは絶やすことなく、今後も継続させる必要があります。

 そこで、当学会では学会として本研修事業をサポートすることを2020年幹事会で決定し、「衛生動物分類学研修実行委員会」を2020年6月18日に発足させました。当初の企画としては、研修内容がすでに確立している蚊の仲間を対象に研修事業を開始しますが、受講者の要望や社会的要望に応える形でそれ以外の衛生害虫類(例えば、ダニ、ハエ、アブ、ヌカカ、サシチョウバエ等)への対応も今後検討する予定です。

 つきましては、皆さま方からの本研修事業へのサポートをいただきたく、ここに趣意書を掲載し、ご寄付のお願いをさせていただきます。当学会の趣旨にご賛同いただき、ご寄付をいただけます場合は、下記に示す、衛生動物分類学研修実行委員会までお問合せくださいますようお願い申し上げます。

2020年 7月 吉日

日本衛生動物学会 衛生動物分類学研修
実行委員会代表 比嘉 由紀子
学会長 澤邉 京子